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うつ病の危険因子としての不眠

若い頃、寝つきが悪いと将来うつ病発症リスクが高い!

「(内因性)うつ病に特徴的な不眠として、(診断的に)早朝覚醒(の重要性)が言われます。 実際に多くの古典的な教科書に記載されてきましたが、うつ病に見られる睡眠障害についての実証的な検討は極めて少ないと言えます(内山,2012)。」

医薬ジャーナル48(4):116-124,2012 

うつ病と不眠に関する研究結果
  • 7954人、不眠をもつ者ではその不眠が1年間のうちに改善しなかった場合、うつ病発症リスクが39.8倍に達する。 (Fordら,1989)
  • 不眠の既往のある場合、3年後のうつ病の危険率を高める。 (Breslauら,1996)
  • 学生10201人を追跡した結果、不眠のあった者の相対危険率は約3倍であった。 (Paffenbargerら,1994)
  • 学生において在学中に不眠があった人はうつ病のリスクが2.1倍であった。 (Changら,1997)
  • 2370人、不眠が新たに発生or不眠が持続した群ではそうでない群に比べ、発症に関するオッズ比が有意に高い。 (Robertら,2000)
  • 自覚的な不眠を訴えている人はそうでない人に比べ、20年後のうつとの関連が2.3倍高い。 (Takeuchiら,2008)
  • 一般成人24686人、入眠障害・夜間覚醒・早朝覚醒・日中の過眠はうつ状態と関連した(入眠障害が最も強く関連)。(Kaneitaら,2006)
  • 65歳以上の高齢者で、不眠がある人は3年後にうつ病の危険率が3.22倍になる。 (Livingstonら,1993)
  • 65歳以上の高齢者で、不眠が改善した人は不眠が継続していた人に比べ、3年後の抑うつ度が低かった。 (Baabbinsら,1993)
  • 6899名の65歳以上の高齢者で、不眠があった人はなかった人の3倍うつ病になる可能性が高かった。 (Foleyら,1999)
  • 4997名の65歳以上の高齢者、3年後の追跡調査でうつ病と有意な関連があったのは「入眠障害」「早朝覚醒」。(Yokoyamaら,2010) /li>

不眠はうつ病の発症リスクを2~3倍、平均で2.1倍 有意に上昇させる。

 (Baglioni等、2011) 

<出典>
JAMA262:1479-1484,1989.
Biol Psychiatry39:411-418,1996.
Acta Psychiat Scand Sppl377:16-22,1994.
Am J Epidemiol146:105-114,1997.
Am J Psychiatry157:81-88,2000.
Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol43:343-348,2008.
J Clin Psychiatry67:196-203,2006.
Br J Gen Pract43:445-448,1993.
Int Geriat Psychiatry8:473-480,1993.
Sleep22(Suppl2):S366-372,1999.
Sleep33(12):1693-1702,2010.
J Affect Disord135(1-3):10-19,2011.

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